このコーナーでは, OMPのメンバーがマンドリン音楽や技術など, 演奏や指導などを通して考えていることや他愛もないことについて掲載します。 「親父の小言」として適当に笑覧くだされば幸いです。
- マンドリン音楽再考 by Kiyosumi Orii
- 初心者のためのトレモロ(?)講座 by Kiyosumi Orii
- トレモロ練習にひと工夫 by Kazuya Sasaki
- トリルの練習 by Kiyosumi Orii
- 滑走アルペジオ by Kiyosumi Orii
- 伴奏付きトレモロの練習 by Kiyosumi Orii
第1回『マンドリン音楽再考』
現在に至るまで,世界各地でマンドリン音楽に情熱を傾け, その一生を捧げたともいえる多くの偉大な先人がいました。 彼らの努力によって多くの素晴しい楽曲が残り,楽器が発展し, 奏法に関してもある程度確立されてきたことで, 今日のマンドリン界の隆盛(?)がもたらされたといえるでしょう。
しかし,「私の先生はこう弾いていたから」とか 「この時代のものはこういう音色のこういう楽器でないといけない」 などと頭から決めつけ,なぜそうなのかを考えようとしないで, 先人の教えをかたくなに守ることのみに情熱を傾ける人が少なからずいる と私は感じています。 それならそれで(考古学者のように), 過去のことをよく研究されることで現在を知るなら結構だと思いますが, 自分の奏法と違うものを異端と決めつけ排除しようとすることは, 今後の発展に妨げとなるとは考えられないでしょうか?
かつてのヨーロッパでは,
音楽家たち(作曲者=演奏家という時期が長くありました)は,
一部の支配者階級に「ういやつじゃ,ちこうよれ」
と可愛いがられていれば生計が立つ時代でした。
それが近代社会になってからの演奏家は,
より多くの聴衆を広いコンサートホールに集めて演奏を聴いてもらわなければ
成り立たなくなってしまいました。
マンドリンのことを考えた場合,
ヴァイオリンやピアノなどに比べて音量的にかなり苦しい状況です。
ごく少数の支配者階級のサロンで演奏していた頃と同様の奏法,
楽器をもって四畳半のマスターベーション的な演奏をしていては,
マンドリン界の未来はないと思います。
勿論,PAを使うという方法もあるでしょう。しかし,
ポピュラー音楽の電気を通した大音量の音に慣れている
現在の聴衆に対して訴える力を持つためには,
マイクに入る以前の音に現代的なクオリティーが求められていると思います。
このような状況の中で,
一体どんな音色でどんな表現をすればよいのでしょうか?
芸術であるところの音楽の表現に関しては色々な考え方があり, 音色ひとつとっても価値観の違いにより美しい音に対する考えも色々です。 例えば, 単に「柔らかい音」といっても人によっては柔らかさの度合がかなり違います (また中には美しいだけでなく,不快な音, 聴いてイライラさせられる音も芸術として使用されています)。 また,そうでなければ演奏家の個性や演奏家に対する好みの差など 無くなってしまうんでしょうが・・・
以前,中国の二胡奏者の方と三重奏で共演したことがありますが, そのとき二胡奏者の方は「音に気を込める」ということを大切にされていました。 私個人の好みとしては, このように表現したくてやむにやまれぬ 内なる思いが溢れ出てくるような,音楽にのめり込んだ演奏 (よく冷静な表現などといったことを耳にしますが, 表現において冷静でいられるものでしょうか? 私はそういった上品なものではありません)が好きです。
このような状況の中, 「私自身の嗜好でマンドリンレッスンのページを作ってみても, 賛否両論あるのはあたりまえ」と覚悟を決めて原稿を書くことにしました。 従いまして,この連載を読む皆様方には, 納得でき共感できることだけを受け入れて頂ければ結構かと思います。 現在まで広く使われている有名なマンドリン教則本では, いけないこととされていることをやっているかもしれません (私は教則本で勉強しませんでした。 基礎練習ももっと実践に則した音楽的内容の深いものをやるべきだと考えます)。 ですが,決して諸先生方や諸先輩方のやり方を否定するものではありません。 どのやり方にも勿論素晴しいところがあるのですから・・・ しかしながら,試行錯誤して発展がある と思いますので,その試行として見て頂けたら幸いです。
第2回『初心者のためのトレモロ(?)講座』
マンドリン奏法は日本国内でも各地に色々な奏法があり, どの奏法にも長所がありますので, どれが正しいとは一概に言えないと思っております。 初心者にとってトレモロは憧れと同時に,第1関門であると言えるでしょう。 ここでは,私の方法を紹介したいと思いますが, 納得していただいたことだけ取り入れていただくことで良いと思います...
マンドリンは,
とりあえず「トレモロ」ができるかどうか,
が最初の段階での大きな壁になると思います。
自転車に乗る練習と同じ様な悩みではないかと思いますが,
ある時,気が付くとできていたという感覚に似ているのではないでしょうか?
私が全くの初心者に教える場合は,
基本的なこと(例えば,楽器の構え方・ピックの持ち方など)がキチンとできていれば,
あとはとにかく練習しかないと言っています。
この時に結構大切なのが「絶対にできる様になる」という確信を持つことと,
3日おきの2時間の練習よりも,1日10分でも良いから毎日楽器に触ること,
これが非常に重要です。
では,トレモロをどのように練習すればよいのでしょうか?
以下に簡単に順を追って説明してみます。
第一段階として,
全弦をトレモロしてみます。
(音がうるさいので,左手で軽く全弦を触れて音をミュートしておいても構いません。)
この時,ピックがずれない様にするために,
右手の指に力が入ると良い結果になりません。
ピックがずれたら,その都度止めて持ち直すようにしましょう。
慣れてくれば持ち直すタイミングがだんだん離れてきて,
最終的にずっと続けられるようになります。
右手の親指と人差し指の間でピックが揺れている感じを感じ取れる様にしてください。
(小学生の頃に鉛筆をつまんで揺らして見て,鉛筆がグニャグニャ曲がって見える,
といった遊びはされませんでしたか?その感じに似ているかもしれません。)
あたかも団扇で仰ぐような感じでできるようになったら
(団扇もそんなに強く握りませんよね),次の段階に行きましょう。
次に,1〜3番線,2〜4番線,その後,1と2番線,2と3番線,3と4番線,
という風に,一度に弾く弦を減らして行きます。
2つの弦位になったら、左手のミュートは外しても,
そんなにうるさくないかもしれません。
この時,
目的以外の弦がピックに引っかかって,鳴ってしまうと思いますが,
これは気にしない様にしていただくことが大ことです。
そのことよりも,大きく右手が振れることの方が重要です
(将来的に小さな振りのトレモロに成ってしまうと色々弊害がありますので)。
そしていよいよ1本(1種類?)の弦に挑戦します。
この時も前記の大きく振れるようにすることを意識してください。
「大きく」と言っても,
誤解が有るといけませんので説明しますが,
例えば2番線をトレモロする場合,
1番線のすぐ上から3番線のすぐ下までを一杯に使うということです。
2番線を最初のダウンで弾いたらそのストロークは1番線に当たって
(この時一番線は弾きませんけれども)跳ね返ります。
そのまま2番線をアップで弾いてそのストロークは3番線に当たって
(やはり3番線は弾きません)跳ね返ります。
ちょうどゴムボールがU字溝などに落ちた時,
左右にポンポン跳ね返り続ける,あの感じです。
どうしても隣の弦が鳴りますが気にしないでください。
その内鳴らなくなります。
1番線と4番線については隣の弦が片方無いので,
少しやりにくいかも知れませんが,隣の弦を架空に想定してやってみてください。
この間も右手のピックを持つ指に力が入りすぎないよう注意し続けてください。
この力の加減は,
将来f(フォルテ)−p(ピアノ)の表現にも影響しますので,
非常に微妙なのです。完全にトレモロが自分のものに成った時には,
ある程度しっかりピックを持つことも必要になってきます。
しかし,現段階では緩く持っている方が結果としては良いと考えています。
前後しますが,
上記と平行して最初の段階から続けてほしいことがあります。
4拍子で,ダウン・アップ交互で16分音符を4つを4拍の音階練習をします。
1小節1音程で徐々に上がって行ったり,
下がって来りしてください。
最初はメトロノームにあわせて1拍=50位(?)から始めて,
徐々にテンポを上げて行ってください
(一度テンポが上がったらもう前のテンポでゆっくりやる必要はありません)。
最終的に120位でできればもう充分「トレモロ」です。
私の個人的な考えですが,「トレモロ」はあまり早くない方が,
暖かみや悲しみを表現しやすいと思います。
「凄く早い(細かい)トレモロ」は,
かえって冷たさや無機質さを感じさせてしまうと考えております。
左手のことも少し触れておきます。 左手で重要なのはネックを握り込まないことです。 手のひらはネックに触れないように構えてください。 脇を開くでもなく,閉じるでもない状態で, 肘を曲げ手のひらを垂直にするようにしてください。 人さし指の付け根にネックを置く感じで, 親指はそれを支える感じでネックを挟んでください。 この2点で指で弦を押さえる力に対抗する感じです。 弦を押さえる指先は,理想として爪の面がなるべく右側を向くように, 薬指,小指などは体の構造上無理ですが、爪の面が上を向くのは避けた方が良いです (ドイツ式奏方や,ギターの場合はこうですが,ヴァイオリンの左手に近い感じです)。 弦を押さえるときは本当に指先で押さえること, 一番痛い部分かもしれませんが,その内皮が厚くなって苦にならなくなります。 指全体の形がアーチ上に成るのが理想です。 こうすると将来必要になる同時にいくつもの音を出す奏法 「重音奏法やデュオ奏法」が出てきた時に余計な苦労をしなくて済みますので...
第3回『トレモロ練習に一工夫』
第2回では,主宰が考える初心者のためのトレモロ練習を紹介しました。
初心者の方だけではなく,
既に当り前のようにマンドリンを弾いている方にも参考になったのでは(?)と,
弟子の一人として改めてうなずいてしまいます。
ところで,
よく「なかなか速く弾けないんだけど(速弾き),どうすればよいのかな〜」
という質問を受けることがあります。
安易に答えるなら,「ん〜とにかく反復練習しかない」となってしまいます。
しかし,本当にそうでしょうか。確かに,
左手の反復練習という意味では間違っていないと思いますが,
主な原因として
『右手と左手の非同期』
をあげたいと思います。。
左手を重視するばかりに右手の訓練(広い意味でトレモロ)が不足し,
結果として右手の器用さ(自由度)がないために,
速弾きも含めて
表現範囲が狭まっているのではないか
と考えています。
マンドリンには,基本的にピッキングとトレモロ
(私はトレモロもピッキングの延長と考えています)しかなく,
表現部分を担うのは右手しかないのです。
どんなに左手が器用であっても,
右手の自由度がなければ良い演奏は不可能ではないでしょうか。
利き腕でピックを担当することからもうなずけます。
そこで,今回私がレッスンをする場合に必ず教える練習方法を紹介します
(といっても,第2回の基礎編ができてからですが…)。
まず,上の譜例の上段を見て下さい。
これはクロマティックスケールですが,
運指(指使い)が通常のマンドリン教則本で紹介されているものと違いますので
注意して下さい(ヴァイオリンでは一般的)。
念のために「0:開放,1:人さし指,2:中指,3:薬指,4:小指」です。
この運指でダブルノート(1音をダウンとアップで2回ずつ弾く)
ができることを確認して下さい
(左手が速く動かない場合は4つ取りでも結構です)。
これだけを,テンポを変えて練習してもよいのですが,
次に下段も一緒に弾くようにします。
つまり,常に隣の開放弦との重音で弾くことになります。
こうすることによって,
第2回のレッスンで
「最初から単弦で練習するのではなく,
全弦から始めて徐々に弾く弦を減らしていく」という練習に
左手を加えることになります
(この譜例は二重音ですが,
下段に他の開放弦を入れれば三重音,四重音:全弦となります)。
ここで注意して欲しいのが,
左指を立てないと(指の腹で押えると)開放弦に当たってしまい,
結果として美しい重音にならないということです。
この点においては,将来的に重音やデュオ奏法で弾く前準備にもなるでしょう。
しかしながら,
まず右手の方に意識を集中させて,
さらに左手を加えることによって
「同期」を
意識して欲しいのです。
次に,慣れてきましたら,
ピアノ(p)やフォルテ(f)といった音量に変化をつけたり,
クレッシェンド・デクレッシェンドを加えて工夫してみて下さい。
さらに,軟らかい音(指板上で弾く)や硬い音(ブリッジ寄りで弾く)など,
音質を変化させて練習するのもよいかもしれません。
また,ダブルノートではなくて三連符で弾いてみるのも
右手の自由度を上げるにはよいかもしれません。
いかがでしたか? 上級者の方には,あまりにも工夫がなさすぎるとお叱りを受けるかもしれません。 他に素晴らしいアイデアがございましたら, 当ホームページで紹介いたしますので是非ご連絡下さい。 この練習は私自身, 練習の最初に必ず10分程度色々なヴァリエーションで実行していますし, 時間が十分取れない日には, 少なくともこれだけは欠かさないように努めています。 第2回の基礎編でも, 日々少しづつ練習することが上達のコツと指摘していますが, 地道な練習部分だからこそ色々な要素を採り入れれば, より効率的な訓練ができるのではないでしょうか。
第4回『トリルの練習』
皆さんは「トリル」はお得意でしょうか?独奏、あるいは合奏でもコンマスによるカデンツァなどでよく出てきますよね。バロック音楽などの場合には、ちょっと様子が違うかもしれませんが、ロマン派以降の曲でトリルを演奏する場合の練習方法を書いてみます。(上記の第1回〜第3回と同様、私たちが良いと思って勝手にやっている方法ですから、もし参考になったら練習に取り入れてみてください。)
まずよく陥りがちな問題は、右手のトレモロの周期に左手指の動きを(無理矢理?)埋め込もうとする事ではないでしょうか?私の経験では、この方法で効果的なトリルの練習を行うのはかなり困難だと思っています。それよりも、細かい音符の連続をダウンストロークとアップストロークの交互で演奏すると考え、右手はどんなに速くなってもトレモロではない、という意識で練習した方が、右手と左手の同期をはかるためには効果的だと思います。
下記の譜例のような練習をお試し下さい。(カデンツァのように、短い時間で劇的な効果を上げる感覚を掴むのにもプラスになると思います。)
少し慣れてきたら、だんだんゆっくりなリズムにしていく方法もお試し下さい。この楽譜を右から左に読むつもりと考えても良いかもしれません。
人間は欲どおしい生き物なのか、赤ん坊でも最初に「にぎる」ことを覚えますが、この場合には「指を速く(早く?)弦から離すこと」に意識を向けてください。いわゆる「速弾き」などの場合もそうですが「弦を押さえている指をどれだけ速く弦から離すか」という練習はかなり重要なことだと思います。もちろん押さえるのも速くしなければなりませんが、速く押さえることは割と誰でもすぐにでき、離すことの方が難しいように感じます。
押さえる時にはギターの奏法の「ハンマリングオン」(上行スラー)の感じです。ピックで弦を弾かなくても、左手の押弦だけで音が出るくらい勢いよく押弦してください。その直後、押弦の勢いではじかれたように弦から指を速く離すようにします。下の譜例を(右手を使わずに)左手だけで音が出るように練習してみても良いでしょう。もっとも一番最初の音は鳴りませんが・・・。
第5回『滑走アルペジオ』
第5回は滑走アルペジオについて考えてみましょう。
子供の頃、学校からの帰り道で、縦に格子状に鉄の棒が並んでいるような塀とか柵とかが道沿いにあると、たまたま持っていた傘の先をその塀(柵)に当てて走り「カンカンカン」という音が連続して鳴るのを楽しんだ覚えがあります。
その時にもしもそのお宅に人がいたら、叱られてしまうのですが・・・。滑走アルペジオは丁度のその時の感覚に似ていますよね。
上の譜例「A」を演奏しようとする場合、G線およびD線は開放弦で、A線でBおよびE線でGを押さえたままにし、各弦を順に「クーレ奏法」していきます。つまり一音ずつ打ち直さず該当する弦を順に、そして一気にダウンストロークし、そしてアップストロークします。この時によく起こりがちな問題点をあげてみます。各音符は均等な感覚を保って鳴らなくてはならないのですが、ややもすると演奏した結果が下の「譜例B」のように「n」で示した時間が空いてしまうことがあります。
さらにテンポが速い場合には下の「譜例C」のように「n」で示した時間がもっと長く空いてしまうことがあります。
独奏コンクールなどでもカラーチェの第2協奏曲1楽章のカデンツァの後や、ラニエリのワルソーの想い出のフリスカの中でピアノがメロディーになる部分、やはりカラーチェの第1協奏曲1楽章のエンディング部分(アルペジオのパターンがこれとは違いますが)でよく起こることです。
もしかするとこれには下記のような原因が考えらるかもしれません。
上の「図1」のような右手の運動では、右手の運動の慣性もあるために、図中に「n」で示した距離(譜例の中の「n」で示した時間)が長くなってしまいます。この方法ですとどうしても上記の「譜例B」や「譜例C」になりがちです。
これを防ぐためには一番端の弦を弾いた後、ダウンアップを切り替えてもう一度その弦を弾くまでの時間をできるだけ短縮しなくてはなりません。下の「図2」のように右手の軌跡が円形に動くことで解決できると考えられます。
もちろん、このような真円でなくて楕円でも良いのですが、要は図中に「n」で示した部分の距離をできるだけ少なくすることが重要です。このようにすれば譜例「A」の演奏が実現しやすくなるでしょう。
(余談ですが、滑走アルペジオを演奏するための円の描き方については、回転方向に地方色があると聞いたことがあります。関東と関西では回転方向が逆になるのだとか・・・真偽のほどは定かではありません。どなたかご存じでしたらBBSなどご利用の上お教え頂ければ幸いです。)
第6回『伴奏付きトレモロ』
今回は無伴奏独奏曲にはかかせない「伴奏付きトレモロ」についてです。
下記の譜例「A」を弾いてみましょう。(上声部はトレモロ、下声部はピッキングです。)
聴衆が「2人で演奏しているのかと思ったら1人で弾いていたよ!」などと言ってくれたら大成功です。
もしなかなかそのように聴こえないとすれば、多くの場合は「低音を弾いてから瞬時に高音のトレモロを始めなくてはならない」と思うあまり高音のトレモロの最初の一打にアクセントがついてしまうのが原因のひとつです。
この問題の解決に向けた練習方法として下の譜例「B」をお試し下さい。
完全に上記のように演奏するのは難しいかもしれませんが、これをイメージして演奏した結果、下の譜例「C」のようになったとします。
このように低音を奏した後、高音のトレモロ開始までに若干の間があったとしても、高音のトレモロ開始の音が小さければ効果的なのです。
試しに譜例「C」の強弱記号を大げさにやってみて下さい。低音と高音の間をもっと空けてしまっても、トレモロ開始時にアクセントが付くよりもずっと効果的なのがお分かり頂けると思います。
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